「ずっと外」より「ときどき外」が危ない?240万人の労働者データが示した、皮膚がんと日光の意外な関係

夏の日差しが強まるこの季節、紫外線対策といえば「炎天下で長時間働く人のためのもの」と思っていませんか。ところが、カナダ・

調査レポート
「ずっと外」より「ときどき外」が危ない?240万人の労働者データが示した、皮膚がんと日光の意外な関係

夏の日差しが強まるこの季節、紫外線対策といえば「炎天下で長時間働く人のためのもの」と思っていませんか。ところが、カナダ・オンタリオ州の240万人もの労働者を追跡した大規模研究は、その常識をくつがえす結果を示しました。最も悪性度の高い皮膚がんであるメラノーマ(悪性黒色腫)のリスクは、断続的に日光を浴びる働き方でこそ高まる可能性が示されたのです。

240万人を最長36年追跡した研究

この研究は、オンタリオ州の労災補償記録をもとに約240万人の労働者を特定し、1983年から2019年にかけてのがん登録データと照合したものです。その結果、8,170件のメラノーマ発症が確認されました。

研究チームは「SUNJEM」という職業別の日光曝露推定モデルを使い、労働者を屋内勤務者と、屋外での日光曝露の程度(断続的・低度/中度/高度=1日6時間以上)に分類して比較しました。

注目すべきは、屋内勤務者を基準としたときのリスクの大きさです。1日6時間以上の高度曝露グループの発症リスク比が1.13倍(95%信頼区間1.01〜1.26)だったのに対し、断続的に日光を浴びる「低度・断続曝露」グループはむしろ1.26倍(同1.17〜1.38)と高く出ました。トラック運転手や農業従事者などで、リスクの上昇が確認されています。

部位にも違いがありました。断続的な曝露では腕と体幹で、長時間の高度曝露では頭部と体幹で、それぞれメラノーマが多く見られたのです。

明日からできること

この結果は、「ずっと屋外にいるわけではないから大丈夫」という油断こそ危ういことを示唆しています。通勤や休憩、週末のレジャーなど、日光を浴びたり浴びなかったりを繰り返す生活パターンの人も、対策を意識する価値があります。

ポイントは、顔だけでなく腕や体幹(背中・胸)を守ることです。薄手の服は紫外線を通すため、首・腕・背中にも日焼け止めを塗る、UVカット性能のある衣類を選ぶ、帽子で頭部を守る、日陰を活用するといった基本の積み重ねが効いてきます。日差しを浴びる時間が短くても、こまめな対策を習慣にしていきたいものです。

出典

O'Sullivan DE, Eros FR, DeBono NL, Demers PA, Peters CE, Sritharan J. "Ultraviolet radiation exposure and melanoma risk among over 2 million Ontario workers." Scientific Reports, 2026年4月10日掲載. DOI: 10.1038/s41598-026-48477-4 https://www.nature.com/articles/s41598-026-48477-4

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