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同じカロリー・同じ栄養素でも体の反応は違う? 超加工食品の食事でインスリン反応が大きくなることが示されました

超加工食品は、がんや肥満、代謝の不調との関連が多くの観察研究で報告されてきました。ただ、それが「塩分や脂肪、糖が多いから

調査レポート
同じカロリー・同じ栄養素でも体の反応は違う? 超加工食品の食事でインスリン反応が大きくなることが示されました

超加工食品は、がんや肥満、代謝の不調との関連が多くの観察研究で報告されてきました。ただ、それが「塩分や脂肪、糖が多いから」なのか、「加工そのもの」に理由があるのかは、はっきりしていませんでした。今回、Nature Metabolismに、カロリーや栄養素をほぼそろえた2つの食事を食べ比べ、食後の代謝と脳の反応を調べたランダム化クロスオーバー試験が発表されました。

研究の概要

米国バージニア工科大学の研究チームは、標準体重の健康な成人57人(平均年齢約26歳、平均BMI 22.75)を対象に研究を行いました。参加者の普段の食事では、摂取エネルギーの平均54.4%を超加工食品が占めており、米国の全国平均(55.0%)とほぼ同じ水準でした。

研究チームは、食品の加工度を分類する「NOVA分類」にもとづき、超加工食品だけでできた食事と、超加工食品を含まない食事を用意しました。どちらも約300kcalで、重量、エネルギー密度、炭水化物・脂質・たんぱく質の量、グリセミック指数、食物繊維、ナトリウム、水分の12項目を、差が1.6%以内に収まるように合わせています。

このうち32人が、別の日に両方の食事を順番に食べ、食後3時間にわたって部屋全体で呼気を測定する装置(ホールルーム間接熱量計)の中で過ごしながら、繰り返し採血を受けました。主な結果は次のとおりです。

本来、食後は燃料が脂肪から炭水化物へ切り替わりますが、超加工食品ではこの切り替えが鈍くなっていたことになります。研究チームは、血糖値は同程度なのにインスリンが多く必要だったこの反応のパターンについて、インスリンの効きが相対的に低下した状態と矛盾しないと述べています。

さらに52人が、28種類の食品の写真を見て「いくらまでなら払うか」を答える課題を、脳の活動をfMRIで測りながら行いました。支払ってもよい金額(主観的な価値)は、超加工食品とそうでない食品で差がありませんでした。ところが脳の中では、価値の高さと活動の関係が、超加工でない食品では正の方向、超加工食品では負の方向と逆になっていました。この違いは、視覚の高次処理に関わる紡錘状回や、報酬に関わる線条体で見られました。また、食後の炭水化物利用の差が大きい人ほど、食品写真に対する線条体の反応も違っていました。

なお、食べた直後の「おいしさ」や「もっと食べたい気持ち」、空腹感や満腹感には、2つの食事で差はありませんでした。

日常生活への示唆

この研究は、カロリーや栄養成分表示が同じでも、加工の度合いによって食後の体の反応が変わりうることを示唆しています。研究チームは、工業的な加工によって食品の物理的な構造が変わり、消化や吸収の速さが変わることが一因ではないかと考えています。

ただし、今回わかったのは1回の食事(約300kcal)に対する短時間の反応であり、若く標準体重の人に限られています。長期間食べ続けたときに体重や病気のリスクがどう変わるかを直接調べたものではありません。また、2つの食事ではたんぱく質の供給源が異なり、超加工食品の食事には添加物も多く含まれていたため、どの要素が結果に影響したのかは今後の検証が必要です。

それでも、日々の食事を選ぶときには、栄養成分表示の数字だけでなく、「どれだけ加工されているか」にも目を向ける価値がありそうです。たとえば、原材料表示に家庭の台所では使わない添加物が並ぶ食品を、素材の形が残る食品に一部置き換えることから始めてみてはいかがでしょうか。

出典

論文タイトル: Metabolic and neural responses to ultraprocessed foods: a randomized, controlled, crossover study 著者: Zach Hutelin, Monica Ahrens, Mary Elizabeth Baugh, Emmanuel Nartey, Delbert L Herald, Alexandra L Hanlon, Alexandra G DiFeliceantonio 掲載誌: Nature Metabolism(2026年10月5日オンライン公開) DOI: 10.1038/s42255-026-01619-4 URL: https://www.nature.com/articles/s42255-026-01619-4

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